クローン病とは近年増加がみられている病気で、小腸や大腸の粘膜炎症が起き、潰瘍ができてしまうものです。
腸に炎症が起こり、さまざまな症状が現れる病気は他にもいろいろあります。その中でも、原因不明なものを称して炎症性腸疾患と呼んでいます。
クローン病はこの炎症性腸疾患の一つで、腹痛や下痢などの症状が出ます。
クローン病はその症状の程度により、日常生活に影響を与えます。また、症状が出たり良くなったりすることもあるため、入退院を繰り返すこともあります。
原因は明らかとなっておらず、いろいろな説がありますが、注意点を守って生活すれば症状を抑えることが可能な病気です。
クローン病とうまく付き合っていくには、クローン病の症状や原因、治療法について知っておくことが大切です。このページでは、クローン病を治したいとお考えの方のために、クローン病の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
クローン病とは、小腸や大腸の粘膜に炎症が起こり、潰瘍ができたり腹痛や下痢などの症状が現れたりする病気です。
クローン病は小腸型、大腸型、小腸・大腸型の3つに分類されています。若年層での発症が多く見られます。
難病情報センターによると、国内におけるクローン病の方は1976年に128人であったのに対し、2013年には約3万9000人となっており、年々増加しています。
男女比は2:1で、10代から20代に多く見られます。
この病気は1932年にアメリカの内科医クローン医師らによって初めて報告されたため、医師の名前をとってクローン病と呼んでいます。
クローン病は現在の医学ではまだ原因がはっきり解明されていません。
症状に合わせた治療と、炎症がおさまっている「寛解(かんかい)」という状態をできるだけ保てるように治療を行っていきます。
再び炎症が起きる「再燃」という状態と寛解を繰り返すため、長く付き合っていく病気になります。
日本はこのクローン病を「難病の患者に対する医療等の法律」に基づき指定難病としています。
そのため、最寄りの保健所で手続きをすると、医療費の自己負担分の一部について、国や自治体から補助を受けることができます。
ただし、世帯収入によって助成額が変わってきます。
クローン病の治療にはさまざまなものがあり、薬剤を使っての治療や手術治療、栄養療法や食事療法もあります。
クローン病の症状は、まず小腸や大腸の粘膜に炎症が起こり、消化管の粘膜に潰瘍ができます。
大腸に近い部分の回盲部(かいもうぶ)と呼ばれる部分や肛門の近くに好発します。
腸の中から体の外へ瘻孔(ろうこう)と呼ばれるトンネルができたり、腸が狭くなったりすることもあります。
また、クローン病は炎症があちこちで起こるのが特徴で、どこかの部位だけその一帯に異常が見られるのではなく、大腸の中でも正常なところと炎症が起きているところがあるのです。
クローン病の炎症は小腸や大腸で多く見られますが、口から肛門まで、食べ物が通る所どこでも症状が出る可能性があります。ですから、口では口内炎ができることもあります。
クローン病の自覚症状としては腹痛や下痢、下血、発熱などが見られます。
下血が続くと貧血になります。炎症が起こることで本来の機能が低下しますから、小腸では栄養の吸収能力も悪くなります。そのため、徐々に体重が減少し、栄養状態が悪くなるために全身がだるくなることも多いです。
これらの症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら長い経過をたどります。この寛解と再燃や症状の程度は個人差があります。炎症が続いている時期には日常生活が制限されることも多くなります。
クローン病の原因はまだまだ研究段階にあり、はっきりとしたものは分かっていません。
以前は細菌の感染によるものや、なんらかの原因で血流が障害されることから始まる説などがありました。
しかし今は、クローン病になりやすい体質を持った人が、生活習慣や食事の影響を受けて発症するのではないかと考えられています。
腸内の免疫バランスが崩れることにより、免疫を担当するリンパ球などが過剰に反応して発症するという説です。
クローン病の危険因子の中に食事があるのではないかという部分は、確実には証明されていません。しかし、日本よりアメリカの方がクローン病の発症数が多いことから、糖質や脂質の取りすぎによるものではないかという指摘もあります。
クローン病は遺伝的な要素があるといわれているため、血縁関係の中にクローン病の方がいる場合、発症率がやや高くなることがあります。クローン病になりやすいという遺伝子があるということもわかってきてはいますが、現在はまだ研究段階です。
クローン病の治療については、クローン病が長期にわたって続く病気であるため、現在は「寛解」の状態をできるだけ保てるように治療を行うことが一般的です。
日常生活での制限ができるだけ少なくなるように、薬物療法や栄養療法、時には手術を行いながら、その方に合わせた良い状態となるように目指していきます。
軽症や中等症の方では、薬物療法や栄養療法がメインとなります。
これらの治療で症状が抑えられる場合には、生活上の注意を守りながら、普通の日常生活を送っていただけます。
症状が重くなってくると、入院して治療を行うことになります。また、腸に穴が開いてしまったり、腸が狭くなるなどして詰まったり、お腹に膿が溜まった場合には、薬物療法や栄養療法では治療できませんので、手術することになります。
栄養療法では、クローン病でお困りの方の状態に合わせて、できるだけ消化しやすく低残渣(ていざんさ:食物繊維などが少ないこと)の成分栄養剤や消化態栄養剤(少量のタンパクと脂肪成分を含む)で栄養を補給します。しかし、炎症が強い場合には点滴で栄養をとります。
成分栄養剤や消化態栄養剤は直接口から摂取することもあります。ほかには鼻から胃まで、もしくはお腹から腸に向けてチューブを入れて留置し、そのチューブに栄養剤を注入するようにする方法もあります。
寛解状態にあるときには、通常に近い食事をとることもできます。食事の注意点については、クローン病の状態によって異なりますので、医師や栄養士と相談しながらお一人おひとりに合うものを選んでいきます。
クローン病は、まだ原因が明らかになっていません。しかし、定期的に検査を受けながら治療を続け、食事に注意することで寛解を保つことが期待できます。どうぞあきらめないでください。
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