更新日:平成29年12月22日
「認知症」と言う言葉から、どんなことをイメージしますか?多くの方が「もの忘れ」と答えるかもしれません。
年を重ねると増えてしまう「もの忘れ」、認知症の始まりではないかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、「認知症」と「もの忘れ」は似て非なるものです。
「もの忘れ」は、加齢により脳が衰えてしまう生理的な変化です。一方、「認知症」は、原因となる疾患が存在します。
認知症の様々な症状は、その病気が進行したことで脳の神経細胞が壊れてしまい起こります。この2つは一見似ていますが、違う点がいくつもあります。
加齢による「もの忘れ」は、誰しもが進む道と諦めて付き合っていくしかないのですが、「認知症」の場合は、少しでも早く治療を始める必要があります。
認知症を治すためには、認知症の症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、認知症を治したい方のために、認知症の症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
若年性認知症(65歳未満)
認知症とは、ご年配の方に多い病気です。それまで普通にしてきた「物を認識する」・「記憶する」・「判断する」などが、だんだん難しくなっていきます。
「認知症」という言葉ですが、1つの病気の名前と思っている方も多いかもしれません。ところが「認知症」という言葉は、「認知能力が欠けてきた状態」を指しており、病名ではありません。
何かしらの病気が元となり、思考や行動に変化が生じてしまう状態を認知症と呼びます。
認知症は原因となっている病気により完治が望める場合もありますが、それはほんの一部です。ほとんどの認知症では、完全に治す治療法がまだありません。
そのため、治療は症状の進行を食い止めることが中心になります。
認知症は、早い段階で治療を開始することがとても大事です。ご年配の方だけでなく、65歳未満の方でも認知症を発症する可能性はあります(若年性認知症)。
ご自分やご家族に「いつもとちがう、おかしいな?」と思うことがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。
認知症の症状には、ほぼすべての認知症の方で見られる「中核症状」と個人差がある「周辺症状(BPSD)」の2つに大きく分けられます。
(1)中核症状
(2)周辺症状(BPSD)
認知症の周辺症状は、精神的なものと行動に関わるものに分けられます。
中核症状は認知症を発症した場合誰しもが進む道であり、その進行を止めることはできません。しかし、周辺症状にはその方の性格や周りの環境などが影響すると考えられているため、関わり方や配慮の仕方で改善する可能性があります。
認知症の原因は、脳細胞のダメージによるものがほとんどです。脳細胞へのダメージは、「変性」か「血管障害」が主で、認知症の多くがどちらかに当てはまります。
脳の変性疾患では「アルツハイマー型認知症」や「レビー小体型認知症」、脳の血管障害では「脳梗塞」や「脳出血」が代表的です。
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、異常なタンパク質が貯まることで脳細胞が壊れ、その結果脳が萎縮して小さくなります。
脳梗塞や脳出血では、脳の細い血管が詰まり、必要な酸素や栄養が届かなくなることで脳細胞が死んでしまいます。どちらも脳の活動範囲が減り機能が低下するため、それまでできていたことができなくなっていくのです。
認知症の原因は脳細胞へのダメージですが、それに至るいくつかの危険因子があると考えられています。
脳細胞にいつまでも元気でいてもらうために、危険因子を減らし規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけましょう。
認知症の治療法は、原因により異なります。多くの場合が完治を望めないため、症状の進行を緩やかにすることが中心となります。
(1)脳の変性疾患や脳の血管障害が原因の場合
これらの病気が原因の場合、完治は難しいとされています。そのため、薬物療法と非薬物療法を組み合わせて、進行の抑制や症状の緩和を目的とした治療が行われます。
(2)正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫などが原因の場合
早期であれば外科的治療(手術)で治すことが可能です。
(3)貧血・脱水・発熱・ビタミン不足などが原因の場合
点滴などを使用して体内の環境を整えることで、症状の改善が期待できます。
医療機関での治療と同じくらい大事なことがあります。それは普段の生活を支えるご家族の対応の仕方です。認知症特有の症状は、ご家族から心の余裕を奪います。ご家族の疲労やストレスは、ご本人にも伝わり、そのことが影響して症状が重くなる場合もあります。
認知症という病気を理解して、できるだけ穏やかな気持で接することが重要です。
認知症は、進行性の病気です。少しでも症状の進行を遅らせることが、ご本人はもとよりご家族のためにもとても大切です。認知症は、早く見つけてしっかりと治療をすれば良くなる病気です。どうぞあきらめないでください。
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