全身性エリテマトーデス(SLE: systemic lupus erythematosus)は、自己免疫疾患に属するもので、体のさまざまなところに症状が出現します。
病名にあるlupus(ループス)とはラテン語で「オオカミ」を意味し、症状として現われる発疹が、オオカミにかまれた痕(あと)のような紅斑になることが由来となっています。
全身性エリテマトーデスでお悩みの方は、男性よりも女性に、年齢では20歳代から40歳代と比較的若い世代が中心となっています。
近年では新薬の開発や治療法により、以前と比べて症状が悪化しないようコントロールしやすくなってきました。
全身性エリテマトーデスを治すためには、全身性エリテマトーデスの症状・原因・治療について知ることが大切です。このページでは、全身性エリテマトーデスを治したい方のために、全身性エリテマトーデスの症状・原因・治療について詳しく説明しております。
【目次】
全身性エリテマトーデス(SLE)とは、若い世代の女性に多い疾患です。
最初は、だらだらと微熱が続いたり、疲れやすい、日焼けの後に発疹や水ぶくれが出るなど、全身性エリテマトーデスとは限らない症状であるため、診断がつきにくいものです。
全身性エリテマトーデスでは、回復と悪化を繰り返して慢性化していくという特徴があります。
気をつけるべきは、内臓や血液、中枢神経などに関する合併症です。また、自己免疫にかかわる疾患ですので感染症にかかりやすく、とくに気を配る必要も出てきます。
出産が可能で妊娠を望まれている方は、身体に影響のない治療法を考慮することが課題となります。また、治療をしながら社会人として仕事を続けるという試みも、新しい治療薬などの登場で可能となってきています。
全身性エリテマトーデス(SLE)の症状は、関節や皮膚をはじめ、腎臓や肺といった内臓や血管など全身に及んで起こります。
症状の出方には個人差があり、複数の箇所で症状が出ることもありますが、軽症にとどまる方もいらっしゃいます。
具体的には、原因の特定できない持続的な発熱や全身の倦怠感、ちょっとした運動や作業などですぐに疲れてしまう、食欲がなくなる、といったものです。また、以前よりも体重が減るという現象も起こります。
手足の指やひじやひざといった、大小の関節が腫れる関節炎がみられます。決まった部位に限らず、痛みが出る関節が日ごと変わることもあります。
関節炎の症状は、全身性エリテマトーデスの初期段階であらわれます。
全身性エリテマトーデスでは、腎臓や心臓、肺や消化器、神経系、あるいは血液の異常というように、あらゆる臓器で症状が起こる可能性があります。重症化しないよう早期での治療が必要となります。
全身性エリテマトーデスの皮膚症状に、蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)があります。羽を広げた蝶の形をした赤い発疹で、頬にあらわれます。全体のおよそ70パーセントという高い割合で出現する代表的な症状です。
また紫外線をあびた後、発疹や水ぶくれなどの皮膚疾患が出て(日光過敏症)、これが発症のきっかけとなる場合もあります。紫外線が増えてくる春先は、体がまだ慣れていないこともあり発症しやすくなります。
また、ディスコイド疹という丸い形をした発疹も皮膚症状のひとつです。顔や耳まわり、頭部にみられます。ディスコイド疹が頭皮に出た場合、髪の毛が抜けるおそれがありますので、発毛を促すといった対策が必要です。
全身性エリテマトーデス(SLE)の原因は、メカニズムそのものは解明されていません。発症する直接の原因として、自己免疫疾患があります。
免疫は、外部から侵入してくる細菌などから身を守るためにある体のシステムです。
本来は外敵にだけ向けられるはずの防衛機能が、ご自身まで攻撃の対象としてしまうのが自己免疫疾患です。
全身性エリテマトーデスでお悩みの方では、98パーセント以上の割合で、自己抗体(自分の細胞内核に反応してしまう病態)があるといいます。
まだ研究段階ではありますが、遺伝的な要因のあることが示唆されています。全身性エリテマトーデスにお悩みの方で、血縁関係者に、同様の膠原病や自己免疫疾患がみられるケースが多いという報告があります。
全身性エリテマトーデスを発症するきっかけとして、日光浴などで強い紫外線を身体に受けることがあげられます。また、ウイルスによる感染症、外科手術や出産、薬剤の服用が引き金となる可能性もあります。
全身性エリテマトーデス(SLE)の治療では、主に薬物療法が適用されます。合併症が起きていたり、一般的に用いられる薬剤で効果が得られなかった場合は、別の治療法も選択されます。
全身性エリテマトーデスでは、まずステロイド剤が適用されます。免疫を抑制することや、関節などに起きている炎症を抑える効果が期待できます。内服薬として服用しますが、ステロイド剤には副作用もあります。とくに血管への影響(動脈硬化や心筋梗塞など)や、感染症には注意が必要です。
ステロイド剤の取扱いでは、重症の度合いと服用する期間を勘案し、徐々に量を減らしていく方法がとられます。経験のある医師が症状をみて、服用量やタイミングを決定しますので、ご自身では判断されないことが大切です。
関節痛や発熱など内臓疾患を伴わない症状に対しては、非ステロイド性の消炎鎮痛剤や抗炎症剤を用います。痛みが我慢できない時だけ服用するというように、なるべく常用しない方法をとります。
ステロイド剤だけに頼るのは不安があります。副作用の問題を避ける意味でも、免疫抑制剤を併用するのが有効です。炎症がひどい場合のみステロイド剤を使い、治まってきたら免疫抑制剤に切り替えるという考え方です。
しかし免疫抑制剤だけでは不十分であり、ステロイド剤を減らすための補足的な役割という位置づけになります。全身性エリテマトーデスでは、ステロイド剤をまったく使用しないというのは、現時点ではむずかしいのです。
内服のステロイド剤で治療効果が充分に得られない場合、ステロイド・パルス療法が用いられます。毎日、継続的に服用する内服薬と違い、2~3日間という短い期間で、点滴により大量に投与する方法です。
ステロイド剤や免疫抑制剤を使わない方がよい、合併症がある場合などに選択される治療法です。
ガンマブログリンはたんぱく質の一種ですが、これを点滴していく方法です。副作用が少ないのがメリットです。
全身性エリテマトーデスでは、日常から対策をすることが肝心です。外出時は、日焼けをしないよう紫外線を避け、ストレスのない生活を心がけましょう。
また、さまざまな感染症に対する予防策も必要です。
治療法の進歩や新薬の開発によって、全身性エリテマトーデスは改善の見込める疾患となりました。そのためには、信頼できる専門医院や医師を見つけることも大切です。おつらい症状などを少しでも緩和するだけで、毎日の生活も大きく改善します。どうぞあきらめず、治療を続けて下さい。
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